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『真夜中の五分前』

本多孝好著『真夜中の五分前』を読む。すごく息の長いロングセラーになっているらしい『FINE DAYS』以来久々の本多作品。これまでの著者の作品にはない感じのストレートな恋愛小説になってます。 あらすじはというと、交通事故で恋人を亡くした広告代理店に勤める26歳の主人公が、市民プールでしりあった双子の姉妹の妹かすみと出会い、お互いの欠落した部分を埋めながらうんたらかんら。双子の姉が婚約したのけれど実はその婚約者は○○○で、その後の事故、混乱、そして…、うんたらかんたらというお話(ものすごく適当…)。

ストーリー自体決して斬新でもないし、新鮮な切り口で語られるわけでもないです。著者は「恋愛関係でなく恋愛感情を書いたエンターテインメント小説」と言ってますが、自分にはちょっと他の小説との区別はしにくかったです、はい…。どっぷり内省的に書かれているので感情移入はしっかりとしていたけれど、これといった読後感もなくいまいち響くものがなかったです。

今週発表があったけれども、2004年の直木賞候補になってます。2003年の芥川・直木両賞の作品も自分にはいまいちピンとこなかったけれど、ことしもそういうのが選ばれてしまうのかしら…。

通り過ぎていった、★★☆☆☆。