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『ランドマーク』

吉田修一著『ランドマーク』を読む。 東京近郊での肉体労働者の生活を書かせたら太陽系一の作者で、著書はだいたい読んでいるけれども、今作の帯には「村上龍氏絶賛!」とか「最高傑作」とか書かれているせいか、なんだか手に取りずらかった。そういうふうにあおってあるのはどうも引いてしまう。そんな気持ちいっぱいながらも読んでみる。

大宮に建設中の35階建てビルで作業する鉄筋工と、そのビルの設計士のお話。 単純でも複雑でもない普通の人がもっている普通の感情、閉塞感や不安の中にある小さな希望が2人の生活の中に描かれてる。

で、感想を書こうと思ったんだけどもなんか全然出てこない。ああ、よかったぁ、とか面白かったぁとかって言う単純な感情が全く出てこない。全体的に重く暗く不安いっぱいなイメージで書かれているせい、えっ!?だからその後どうしたのっていうようなラスト、そういうのもあるんだろうけど。 正直よくわからなかった。こういうものが文学的には評価をうけたりするのかしら?

もやもやの★★★☆☆。